(2020.6.05 加筆・修正)
親子は子どもによって親になれるように、教師もまた子どもによって教師になれます。「教師は子どもから学ぶ」とは良く耳にする言葉ですが、多くの場合のそれは、子どもたちの反応から学ぶということです。しかし、直接教えられるといこともあり、それが起きた時はとても嬉しい気持ちになります。先生に教える子ども。そんな楽しいお話です。どうぞ、気楽に読んでください。
子どもに教えられた修学旅行での出来事
2019年7月。修学旅行の2日目にショッピングタイムがありました。
ショッピングを楽しむ子もいますし、お土産を探している子もいます。
そして、UFOキャッチャーに興じる子も・・。
修学旅行でゲーム・・・については、とりあえず置いておいて。
私は子ども達の様子をぶらぶらと見て回り、ゲームコーナーに到着しました。
すると、A君が
「これが、最後のチャンスだ!」
と言って、百円玉をUFOキャッチャーに投入する姿を発見。
目が真剣です。その目を国語の授業で出せば、もっといいことがありそうですが、とりあえず置いておいて・・・。
「がんばれ! 集中だ! 絶対取れるぞ!」
私は近くに行って応援です。
大きなぬいぐるみは、うまく引っかかり、持ち上げられ、そして振動でポトンとその場に墜ちました。
「あーーー! 残念!」
私ははしゃいでみましたが、少年はうなだれています。
話を聞くと、随分投資したようですが、結局一つも取れなかった・・・と。
一緒にいた友達が取れてたから、なおさら悲しいみたいです。
ぬいぐるみ、簡単に取れそうなんです。
・・・・まあ、そういう取れそうで取れない商売ですからね。
私は、(ここは大人の力を見せてあげなくてはならないと)使命感が出てきましたので、「どれどれ、先生が、取ってやる!」と、やってみました。
しかし、3回ぐらいやりましたが、取れません。
そんなことをやっていたら、子ども達が集まってきました。
4回目、取れません。
「あーーー、取りたいねー!」
すっかり子ども気分になって悔しがっていたら、集まってきた子どもの1人が
「先生、取りたいじゃないしょ! 取るんでしょ!」
って、叱ってきました。
「・・・・・そ、そうだった。 先生、間違っていた! 取りたいなんて言ってるから取れないんだね。・・・そーだよね。 よし、絶対取る!」
そうして、近くにいたお兄さん店員を呼んで、取りやすいところに移動してもらい、無事に取ることができました。
いつも自分で言っているのに・・・ 「気持ちが大切だ」って。人の事はよく分かるのに、自分のことになると、知らず知らずのうちに後ろ向きな気持ちになっていたんですね。大切なことを教えてくれてありがとう!