Nayunayu先生 ~愛のある教室~

現場教師の24年間の実践理論

学級崩壊の本当の原因 PARTⅢ

学級崩壊

(2020.5.31  加筆・修正)

 これまで、学級崩壊は授業に問題があっても起こらない場合があること(PARTⅠ)、学級崩壊の本当の原因は愛情不足であること(PARTⅡ)で述べてきました。

 今回は解決編です。何度も同じ事を述べますが本道は授業です。でも授業改善はなかなか難しいので、とりあえず軽度の場合はこれで大丈夫という内容です。

 ですから、学級崩壊が起こっているのなら、対処療法をしながら、本道である授業改善を進めてください。

 

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子ども達が愛を感じられる教室へ

 子ども達が愛情を欲しがっているのにもらえないのが学級崩壊の本当の原因だということが理解できたら、愛情を注げば良いということになります。ところが実際には逆のことが行われています。 

学級が荒れる → ダメな先生ね!と周りの先生たちに思われる。

子ども達が荒れる → 悪い子のは子ども達だと担任は思ってしまう。

 愛がほしいのに、周りの先生方も担任も愛情を与えようとはしません。「もっと厳しくしなくては!」「もっときちんとさせなくては!」みたいなことも起きちゃいます。一時的な効果はありますが、きっと苦しさも増します。 

 

 愛情不足なのが原因なのですから、子どもは荒れるという現象を起こしてSOSのサインを出していると考えましょう。すると、やるべき事が理解できます。 

 

学級崩壊を防ぐ(もしかしたら回復できる)7つの実践

 ようやくここまでたどり着きました。愛情を与える教室にするために、授業力なんて関係ない内容を提案します。ただし、しつこいようですが授業が本道であって、学級が落ち着いたら授業改善に取り組む必要はあります。 

 

1 教室を毎日、毎時間きれいにすること。

 これは、誰にでもできます。やる気になればできます。

 環境を整えるのです。

 そうすると、何人かは手伝いますので、お礼が言えます。

 先生の役に立てた子は、嬉しくなります。

 とりあえず、きちんとしている子へきちんと接することです。

 そして、綺麗になれば、子ども達の心も落ち着きます。

 

2 先生は、身なりを整えて、いつも笑顔でいること。

 担任は、教室では親にあたります。

 子ども達は自分の親を愛しているように先生の事も愛しています。

 学級崩壊状態では、そのように感じられないかもしれませんが、今は愛せないということで、本当は愛したがっていると信じてください。

 その親が暗い表情で、身なりもだらしないとしたら、

「もっとちゃんとしてほしい!」と思うでしょう。

 ですから、お金に物を言わせて、身なりを整え、そして笑顔でいてください。

 もう、経験から分かると思いますが、負のエネルギーには伝染力があります。

 同じように、正のエネルギーにも伝染力がありますから。

 

3 いっぱい遊ぶこと。

 寂しいのですから、寂しい想いをさせないというのが愛情です。

 だから、そんな気分には到底なれないでしょうけど、一緒に遊びましょう。

 とにかく休み時間には子どもたちと遊んでください。

 遊んでくれる親を、子どもは憎むことはできませんから。

 

4 謝ること。

 1~3をしばらく、確実に続けてください。確実に先生の味方が増えます。

 先生の愛され方が変わり始めます。

 もしかしたら、荒れている子はさらに荒れるかもしれませんが、とりあえず味方を増やすのが先です。そして、時期を見て子ども達に素直に謝ってください。

 何を謝るのか?

 それは「授業が下手だ」ということです。

「でも、みんなのために、先生がんばるから、ついてきてほしい」と言うのです。

 担任は教室では親であると言いましたが、子どもは「なんでもできる親」を求めているわけではないのです。もちろん、なんでもできた方が子ども達は喜ぶでしょうけど、それよりも重要なのは「僕たちのことを愛してくれる親」の存在です。

 

5 子ども達を好きになること。

 悪さばっかりする子を、どうして好きになれるのか?と聞こえてきそうですが、好きになるしかありません。好きと思えなくても、好きというサインを出しまくることです。

 具体的には、話しかけたり一緒に遊んだり、好きだと言ったりします。

 マザーテレサさんが「愛の反対は憎しみではなく無関心」と言っているように、愛と憎しみは同じベクトルだというのが真実です。先生の事が嫌いだと公言するようなら、好きになりたいというベクトルも強いということです。

 ですから、教師側から「あなたのことは好きですよオーラ」をどんどん出し続けてください。愛に対してはどんな攻撃も無力化されてしまいます。きっと憎まれ口を叩きつづけることは出来なくなるでしょう。逆に悪さばっかりする子を無視すると、愛の反対を与え続けていることになってしまいますので、エスカレートします。

 

6 ルールを見直すこと。

 そろそろ仕上げます。

 学習ルールを徹底してください。それほど多くは必要有りません。

「人を傷つけることは許さない」と「話をきちんと聞く」。

 とりあえず、この2つで十分です。

 子ども達が安全を感じられるし、教室が落ち着きます。

 仕上げ段階ですので、教師の覚悟が必要です。この2つを必ず実行することです。例外はなく、ただ淡々とやってください。仕上げ段階ですが、1~5までを継続しながらということになります。

 

7 個別対応をすること。

 1~6までを急いではいけません。少しずつ、本当に少しずつ改善され、そして、ある時期にくると、一気に回復傾向に乗るという現象が起き始めます。世の中は、たいていそのようになっています。

 ある程度の軌道に乗ると、軽度の子たちは次々に変化していきます。そして最後に残るの子が最もSOSの強い子です。相当な心の闇を抱えています。

 そこで個別対応をしてください。個別対応というのは注意をするということではありませんし、褒めるということでもありません。学級崩壊の本当の原因は愛情不足ですから、個別に愛情をかけるということで、それは話を聞くということに尽きます。この場合の個別対応では、それ以外はありません。

 例え話を聞くことに自信がなくても大丈夫です。担任の話を聞こうとする姿勢そのものが愛情ですから。上手に聞きだそうとしなくてOKです。 

 

 

まとめ

  私は、心の底から、担任の先生方を応援しています。

 どのようにサポートしたら良いのかを真剣に考えて実践してきました。

 そして、上記にまとめた内容にたどり着きました。

 

 先生方は学級崩壊を起こしたくてそうしているわけではありません。その先生なりに努力している。していないように見えても苦しんではいます。

 ですからサポートする他の先生は、授業論を語るのではなく、まずは、その担任の先生の状況を理解し、愛の力を与えることです。そして、担任の先生が元気になれたら、自分の力で切り開いていけると信じることです。

 

 学級崩壊の回復は、担任教師による子ども達へのアプローチと、周りの教職員による担任へのサポートの両方が必要です。 

 

 実際に現場で担任の先生を上記の方法でサポートすると、子ども達からの担任愛が変わり、先生が元気になり優しくなりました。元気になると「もっと授業の力を上げたい」という本道にも興味関心がわいてくるようです。 

 支援の具体的な方法は「人材育成について」の記事を参考にしてください。

 

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