Nayunayu先生 ~愛のある教室~

現場教師の24年間の実践理論

育児は何を目指すのか

育児の目指す場所

(2020.6.20 加筆・修正)
 我が家には2人の娘がいます。ですから育児というのが発生します。もう、毎日が育児ということです。これ、いつまで続くのでしょうか? この記事では、育児がいつ終了し、そして何を目指しているのかということにお答えしています。

 まず、簡単に結論から言いますと、アドラー心理学では10歳までということになっています。10歳以降は親は育児をするのではなく、サポーターになると言っています。サポーターとは支援者ということですから、子どもが10歳を越えると、子どもが進むべき道はその子自身が自分で選ぶということで、経済的な支援とアドバイスが親の務めになるということ。私の実感と経験から言っても、全くその通りだと思います。 

 では育児は何を目指しているのか?ということを、私が親として、あるいは教師として理解していることを具体的にお伝えします。

 

育児には2度チャンスがある 

 まず「三つ子の魂百まで」という諺があるのですから、3歳までが1回目のチャンスになります。

「もう、うちの子は3歳をすぎちゃってるわ!」

と不安にならなくても大丈夫です。次に、6歳までに2回目のチャンスタイムがあります。3歳までよりも効果は薄まりますが、まだまだチャンスタイムです。

 

 チャンスタイムとは、より多くのことが入りやすい時期と捉えてください。子どもに本当の愛が入りやすい時期と言ってもいいかもしれません。

 

「大変! うちの子は、もう中学生なんです!」

と不安にならなくても大丈夫です。実は、入りやすいというだけで、いつでも挽回できます。何を目指しているのかが分かれば、挽回できます。

 

 つまり、育児には2度大きなチャンスというか、大切な時期があるということなんですが、だからといって、それを逃したらおしまいということでもないのです。最大限に時間を有効的に、効果的に使いたいのなら、この2度のチャンスを大切にすると良いのですが、人にはそれぞれ様々な事情があるでしょうし、自身の置かれた立場や社会的な要因などが複雑に絡み合っているので、完璧にできるなんていうことはあり得ないのです。

 ですから、2度のチャンスよりも、一体全体、育児は何を目指しているのかといことを理解しておく方が重要だというのが私の主張です。

 

 

育児は何を目指しているのか

f:id:Nayunayu:20200620122101j:plain

 一般的には、親は子よりも先に旅立ちます。それは、死という普遍的なことを考えれば分かります。でも、それより先に、たいていの場合、子は親の元を離れます。これを自立と言います。

 ただ、中にはずっと親と一緒に暮らすということもありますし「ひきもこり」による8050問題や7040問題というものもありますから、一概には言えません。

 あくまで、一般的には「子どもは親の元を離れる」ということで、それが自然であるということで話を進めます。

 

 子どもはやがて巣立つ存在だとすれば、その自立の時が来るまで、親の元にいてくれる存在であるのが子どもだと分かります。その期間は、一般的には自分で働いて、自分で生活できる年齢、つまり社会に出るまでと考えてよいでしょう。

 

 育児や子育てとは「社会に出て自分の人生を自分の力で歩める力をつけること」ならば、子育ては「自立」を目指しているということです。 

 

 ある年齢になれば、誰でも社会人となるので、社会人となった時点で自立したと言えます。でもそうすると、特別やるべきこともないような気にもなってきます。だって、ある年齢になれば、自動的に社会人になるしかないのですから。

 ところが、今年度の統計では、ひきこもりが全国で61万人いるというデータがでました。ひきこもりが悪いということではないのですが、自立はしていないということは言えるでしょう。だから、社会は大慌てし始めています。 

 

 大人であって社会人の経験があるのなら、周知の事実となりますが、世の中は楽しいことばかりではありません。むしろ、大変とか忙しいとか、苦しいとか、悲しいとか、もう、色々あるのが世の中です。そういう世の中においても、力強く生きていける力を本当の自立と呼ぶのです。そこを目指すのが育児・子育てだということです。

 

 子育てについて論じた本は、ほとんどが同じ原理で書かれています。それは「愛の与え方」についてです。具体的な方法については、書籍で分かりやすく書かれているので、詳しくはそのような専門書にゆだねるとして、おおざっぱな私の意見をまとめます。

 

 育児や子育てを「愛」の視点で考えると、「愛着」という言葉に行き着きます。この愛着に関する視点で言うと、最も目指すべき方向は「安定型」と呼ばれる状態です。

「安定型」の子に育てば、自己肯定感が充実し、おおよそ全ての出来事を肯定的に考えることができ、あらゆるピンチをチャンスと捉えることができます。人にも優しくなるし、困難にも立ち向かう力を持つことができます。

 

子育ては自立を目指し、その中でも「安定型の自立」が目指す場所です。

 

 おおざっぱに、簡単そうに書いていますが、実践するのは、とてもとても難しいです。でも、目指すと、子どもにとってはもちろんですが、親自身にとってもいいことだらけですから、目指すのがオススメです。 

「安定型」とは何かについては、また他力本願ですが、そのような専門書籍がありますので、気になる方は読んでみてくださいねーー。

 

 ・・・なんか、難しい話になったら、他力本願になりがちだなぁ~。

 でも、許してくださいね。