Nayunayu先生 ~愛のある教室~

現場教師の24年間の実践理論

ペルソナ ~AI手相占いから考える~

仮面

 スマホのアプリで「AI手相占い」というのを発見しました。少しばかり手相について勉強してみた事があるので、大変興味を持ちました。AIの進歩はすさまじく、人間には太刀打ちできない領域が今後ますます増えていくと予想されています。手相占い、当たるのかな~と、最新技術へ問いかけることにしました。

 

AI手相占いの結果

 やり方は簡単です。左手、右手の順番にアプリ内の撮影をした後、聞き手を選択するだけです。
 ちなみに、そのアプリでは聞き手が後天的要素のようです。私の場合は、右利きなので「左手が先天的要素、つまり生まれつきの特性」であり、「右手が後天的要素、つまりどのように生きているのかという指標」になるのでしょう。ただ、これも様々な意見があるようで、左手が先天性と決めている書籍もあります。有名な先生に手相を見てもらったときに私が聞いたのは、結局両手を見ないと分からないということでしたけど…。

 
 さて、撮影が終わったら、あっという間に性格診断分析が終了します。ものの数分です。ただし、無料アプリなので性格診断分析を見るためには、少し広告のような動画を見なくてはいけませんが、15秒ぐらいなので待ちます。

 
 結果は、当たっているような当たっていないような…よく分からない。
 それで、続けてもう一度撮影。
 結果は、そうだとも言えるし、そうでないとも言えそう…。
 えーい、忌々しい! もう一度だ!
 結果は、数値の変動が激しい・・・。
 うん? 撮りで方変わるのかな?と思って場所を変えてもう一度。
 結果は、…結局よく分からん!という結果に。

 ちなみに、AI手相は7つの線の強さを分析するようです。
 私の結果を参考までに載せてみます。


【左手(先天的) →順に1回目、2回目と続きます。】

 生命線 →73%→73%→66%→82%
 頭脳線 →100%→92%→100%→92%
 感情線 →79%→90%→90%→84%
 運命線 →79%→79%→95%→95%
 太陽線 →44%→98%→84%→35%
 財運線 →66%→100%→95%→66%
 結婚線 →62%→100%→88%→70%

 

 これを縦列で見たときに、一番傾向の強い性格診断がされるのだと思われます。
 1回目は【冒険家】 2回目は【人格者】 3回目は【天才】 4回目も【天才】でした。 

 

 ちなみに右手は【晩成型】【慎重派】【倹約家】【倹約家】となりました。
 そして、それぞれの性格について、誰にでも当てはまるような内容が記載されていますから、どの性格になったとしても「まあ、そういう一面はあるな~」と妙に納得させられてしまうのも事実です。

  

 私が手相を少し勉強してみたところ、本来、手相というのは線を見るだけではなく、手の大きさや指の長さ、さらには丘とよばれる部位、手の平の膨らみなどを総合的に判断する相当難しいもののようです。私が見てもらった手相鑑定士の方は、もう数十年にわたって手相を見て、たいへんよく当たるという評判の方でしたが、「今でもわからないことだらけよ」と言っていましたし、私の手相を見ながら、自分で作っている何十冊もあるノートを時々見てたりしました。

 

 

人は多面的であり、1つの側面から語ることなど不可能である。

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 AI手相の結果から判定したとして、仮にそれが正解だとして、それだけでも私という人間のもつ性格は「冒険家」で「人格者」で「天才」で「晩成型」で「慎重派」で「倹約家」であるということになります。これはもう多重人格者ということでいいのではないでしょうか。相反する内容「冒険家」と「慎重派」や「天才」と「晩成型」というのも混ざっています。

 

 その傾向が一番強く表れただけということになるのではないでしょうか。

 

 そもそも、人がある傾向だけを持っているなどということはないのです。
 あくまで、その時点では、その場所では、その関係の中では、そのような傾向が出やすくなっているということであって、その性格がその人であると思ってしまうのは錯覚なのです。

 

 さらに、もう一言だけ付け加えさせてほしいのですが、一番わからないのは「自分自身」です。あらゆる側面を持つ自分の姿を正確に把握できる人は、ほとんど0に近いくらいいないでしょう。私だって、自分のことはよく分かりません。

 

 自分の事を本当に分かっていない人が、他人の事を本当に分かるなんていうことはないのです。「私は我が子のことは一番分かっているという」親もいるかもしれませんがそれは幻想です。「私はフィアンセとは理解し合えている」というカップルもいるかもしれませんが、それはおめでたいので、そのままそっとしておきましょう。

 

 人は分からないから分かろうとするのです。1つの側面だけを見て判断するのではなく、自分も多面的なのだから、相手も多面的であるという本当の理解ができたとき、人間関係は大きく成熟していくでしょう。 

 

3 まとめ

 結局、今回のAI手相鑑定から私が言えることは2つです。

 1つ目は、人は多面的な生き物であるということを、今のところのAI鑑定は示しているということ。

 2つ目は、手相のような複雑きわまりない分野については、AIは人を越えられるということは無いのではないかということ。

 

 

 トム・クルーズ主演の「アイズ・ワイド・シャット」という洋画は、人の持つ多面性を表現しています。わけが分からないところも多いのですが、オススメです。