Nayunayu先生 ~愛のある教室~

現場教師の24年間の実践理論

おおらかな心で 第4話「自転車泥棒」

シリーズ化について

 ブログときちんと向き合い初めて約1ヶ月半が経ちました。過去の記事を見直し、加筆や修正、思い切ったリライトをしていると、書きっぱなしだった過去の記事を読み直すことにもなり、記事を書いた当時のことを思い出したりもします。

 ブログを始めた最初のころにしていた様々な試みの中に、シリーズ化というものもありました。「くだらないシリーズ」「誰に聞くかシリーズ」「言霊シリーズ」など、大抵は第3回ぐらいで終わってしまっていますが、中には第5回まで続いたものもあります。そのような過去記事を整理したら、改めてトップ画面に移動させたくなりますが、自分の中での時系列が変わりすぎてしまうので、最近はよほどの事がない限り、動かさないようにしています。(ちなみに、「無意識シリーズ」は大幅なリライトをして、すべてトップ画面に移動させてしまいました。)

 そして新たな気づきが、関連づけという導線を作るということです。


【くだらないシリーズ(全3回)】 

【誰に聞くかシリーズ(全3回)】 

 【言霊シリーズ(全3回)】

 

 そしてもう一つの方法、続きを書くということ。これにより、過去のシリーズ化が活かされていくのではないかという試みです。

 前置きが長くなってしまいましたが、本編をどうぞ。

 

自転車泥棒に遭ったらどうしますか?

自転車泥棒


  私が大学生だった頃、同じ部活の友達に、おおらかな心の持ち主がいました。おおらかな心の持ち主の特徴は、とにかく人の悪口というものを言わないということと、良いとか悪いとかジャッジしないということと、よほどのことがない限り怒らないということがあり、今回の主人公である友人は、その全てが当てはまる人物です。仮にセイイチ君(仮名)としておきます。

 

 ある日、セイイチ君は、友人から高級自転車を2万円で譲り受けました。友人が車を購入したため、高級自転車が必要なくなったための転売です。

 それから1ヶ月後ぐらいに、私はセイイチ君に高級自転車の乗り心地を聞いてみましたら、なんと、すでに盗まれてなくなっていたのです。

 高級自転車だから狙われやすいということはなんとなく理解できますが、短期間過ぎます。きっと置き場所に問題があったのだろうと予測し、現場の状況を聞いてみたんですが、同じ自転車置き場から盗まれた事例はなかったので、置き場所は問題ではないと分かりました。ではなぜ?と疑問に思って事情を聞き進めていると、衝撃的な事実が判明しました。

 なんと、セイイチ君は、大学生になってからすでに3台も自転車を盗まれているという事実です。もう、盗まれすぎです。誰かに恨みでもかっているのではないかと、一瞬疑ってみましたが、セイイチ君は人格者なので、それはあり得ません。

 それで、さらに状況を聞き進めていくと、さらに衝撃的な事実が判明しました。なんと、盗まれた3台の自転車は、いずれも購入1ヶ月ぐらいで盗まれているという事実です。もう、何が何だか分からなくなりました。

 私は探偵の気分になり、さらに状況を聞き進めていくと、とうとう衝撃的な原因が判明しました。なんと、セイイチ君は自転車に鍵をかけないのです。

 

「そ、それは盗まれるに決まってるじゃないか!」と私は驚いて言い、「どうして鍵をかけないんだ?」と聞きました。するとセイイチ君は

「僕は、人の良心というのを信じたいんだ。」

と言うのです。

「信じたいったって、すでに3台盗まれちゃってるんでしょ?」

「・・・そうなんだけどね。それでも人を信じたいんだ。」

ということでした。

 

 ちなみに、セイイチ君は盗難届けも出さないそうで、それは、人を信じたいからだそうで、いつか戻してくれるということを信じたいからだそうです。

 

 自転車は鍵をかけなくては、盗まれる確立が抜群に上がるというのは常識ですから、その話に感化されて、私も鍵をかけないということはありませんでしたが、セイイチ君の「人を信じたい」という純真な気持ちには影響を受けました。そして私は、セイイチ君のことがますます好きになりました。

 

 最近の自転車は2人乗りが出来ないように荷台が着いていない物が多いようですが、私は荷台付きが便利だと思います。

 

 

 久しぶりに書いた「おおらかな心でシリーズ」には、私が出会った素敵な友人達が登場します。もし、今回のお話を楽しめたなら、第1話も読んでみてください。

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