Nayunayu先生 ~愛のある教室~

現場教師の24年間の実践理論

きょうだいはみんな違う

きょうだいはちがう

(2019.11.07の記事をリライト)
 同じように育てたはずなのに、きょうだいで全く違う性格になってしまうことは、よくあります。よくあるというか、それが当然、自然、当たり前でしょう。逆に、似ているというのは不自然です。もしもとてつもなく似ているのなら、それはどこかに無理が生じているはずです。ですから、もしも、きょうだいなのにこんなに性格がちがうのはどうして?と不思議に思っている人がいたら、不思議に思う必要はありませんよとお伝えしておきますね。

 

 

きょうだいはみんな違う。

 私は4人兄弟です。兄、私、妹、弟の4人です。みごとにみんな違います。性格も趣味も違います。似ているのは遺伝子として受け継いでいる容姿だけであると言っても過言ではありません。

 

 それぞれがみんな大人になり、親の元を離れていきました。それで、私は地元に住んでいるので、実家に行く回数が多いのです。

 

 ある日、私の母親が面白いことを言っていました。 

「同じく育てたつもりだけど、お金の使い方はみんな違ってたよ」と。

 確か、話題がお金の使い方だったので、私たちが子どもだった頃のことを思い出したのでしょう。母親の話をまとめると、次のようなことになります。

 

長男(兄)は、持っているお金の中で楽しもうとする。欲しい物があっても、お金がなかったらあきらめる。

次男(私)は、欲しかったら買う。お金がなかったら、自分で生み出そうとする。

長女(妹)は、欲しい物も買わずに、お金を貯める。

三男(弟)は、欲しい物があったら、吟味して、吟味して、買うこともあれば買わないこともある。

 

 へぇ~、性格が違うということは分かっていましたが、お金の使い方にまで違いが出るなんて、面白いな~と思ったものです。当然ですが、子どもの頃の違いは成人してからも継続していくのです。

 

 

きょうだいなのに、なぜ違うのか。

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「きょうだいなのになぜ違うのか?」という疑問は「きょうだいなら同じ」ということを前提にしています。しかし、それがそもそもの間違いです。きょうだいとして同じ、あるいは似ているのは、親から受け継いだ遺伝子と家庭環境ですが、その2つをもってして「きょうだいなら同じ」と考えてしまうと間違えてしまいます。

 

 まずは家庭環境から考えてみます。

 

1 家庭環境が同じだとしても違う 

 長男と次男が居たとします。すると、これだけでもう圧倒的に違いがでます。

 長男には一人っ子の時代があったということであり、次男にはなかったということがその1つです。また、長男を育てたときは親だって第一子でわけが分からなかったでしょうし、次男になるとだいぶゆとりが出てくるということもあります。

 

 さらに、子どもは親の期待に応えようとしますので、きょうだいは親の愛情をかけたライバルでもあるのが事実です。次男は長男と親との関係を見て育ち、上のこと下の子は全く別路線を選ぶということもよくあります。

 

 また、生きている時代も微妙に違ってきますし、家庭環境においても、一人っ子と多数の兄弟ではお金のかけ方も変わります。

 

 もう、あらゆることが違っていて、同じなのは食事と地域ぐらいでしょう。つまり、同じ家庭環境というのは、例え親が「同じように育てている」と思っていたとしても、それを受け取る子どもの側から見れば、随分違うということであって、家庭環境が同じなら同じように育つということは起こりえないということです。

 

 これに長女が加わるとさらに違いが出てきます。男の子と女の子の違いです。父親の反応も随分と変わってきますし、2人きょうだいから3人きょうだいになったのですから、人間関係としてはより複雑になってしまうからです。

 

 家庭環境が同じなら同じになるが成り立たないと言うことを述べましたので、残る「遺伝子」について考えてみます。

 

2 遺伝子が似ていても違う 

 この遺伝子は、DNAが似ているということになりますが、それは容姿についてです。ある程度の運動能力や才能みたいなものも遺伝するでしょう。容姿と才能について考えるとき、容姿については、今回論じる内容ではないので横に置いておきます。

 

 では、運動能力や才能はどうか・・・。

 これは持っているということと、発揮できるということは大きく違います。才能は磨けば光りますが、磨かなければ何にもなりません。そして、磨かれるためには、どうしても本人の精神状態が影響しますので、家庭環境は同じにはならないという理論からすれば、当然磨き方に違いが出て当然です。

 

 お兄ちゃんが優秀な成績だったけど、弟はさっぱりだとか、その逆もまたよくある話です。中には兄弟そろってみたいな事例もありますが、そうでない事例を考えると、兄弟だからそろって優秀ということにはならないということです。

 

 さらに、能力と才能をもってして「同じか違うか」ということではないということも指摘しておきます。それはあくまで世間の評価であって、目に見える成績みたいなものに注目しすぎです。本当の意味で似ているかどうかは、もっと内面的、精神的な側面を言っているはずです。ですから、遺伝子として容姿と才能を受け継いだからと言って、内面まで似るということは起こりえないのです。

 

 

素敵なきょうだいの育て方

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 以上のことを理解すると、きょうだいの育て方というものが見えてきます。

 そもそも違う人間なのです。スピリチュアルな世界では、魂はあの世からやってきまして、何かの縁があって、きょうだいになるのです。

 ですから親の接し方は、きょうだいとして見るということも必要ですが、それ以上に、その子をありのままに見るということになります。そして、きょうだいは常に親の愛情をかけたライバル関係に在るということを心に留めておくことです。

 お兄ちゃんやお姉ちゃんと下の子を比べる必要はなく、その逆については悪影響しかないと知ることです。

 そうすれば、同じ家で育ったきょうだいは、別々の、自分に合った自分らしい自分に成長していくはずです。親はそれを楽しめば良いのです。子どもと親が同じになる必要はなく、きょうだいが似る必要もないのですから。

 

 

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