Nayunayu先生 ~愛のある教室~

現場教師の24年間の実践理論

健康の秘訣 第5回 ~食事と子ども達~

 最近の低学年の子ども達の特徴をいくつかあげるとすれば、「話を聞けない」「落ち着きがない・多動・座っていられない」「自己中心的過ぎる」「情緒不安定」「集中力がない」等々、明らかに数年前とは違います。小学校の低学年でもこうなのですから、幼保に関してはさらに壊滅的状況と言わざるを得ないでしょう。要は精神的に未熟すぎるということで「心の成長」が問題となりますが、今回は「健康シリーズ」ですので、これを「食事」からアプローチします。この記事を読んで実践していただけたら、落ち着きのなかった我が子が落ち着くことが起こります。

 

1 朝食に何を食べていますか?

 まずは衝撃的な事実を紹介します。

「朝ご飯、何を食べてきたの?」と子ども達に聞き取り調査をしてみました。

 すると、学級の子の約半数が「菓子パン」だったのです。

「食パン」という子もいましたが、マーガリンとジャムをつけて食べているので、まあ、菓子パンとたいして変わりません。

「食べてこなかった。」という子や「あれ?何食べたんだっけ?」と思い出せない子もいました。

「ご飯」「味噌汁」「サラダ」「焼き魚」みたいな感じの子は2人しかおらず(30人中)、しかも「家族で朝食を食べた」という子も、あまりいませんでした。家族、いるのに孤食です・・・。うーん、せつない。

 菓子パンって美味しいです。そして手軽です。さらに食べるのに時間もかかりません。だから採用されるのかもしれません。

 しかし、このような朝食が冒頭で説明した「情緒不安定な子ども達」を育成しているのです。もちろん、食事だけではありませんが、食事も「情緒不安定な子ども達」の育成に大きく荷担しているのです。

 

 ある幼稚園では、この食事の惨事に心を痛め、保護者を巻き込んで「自然の物」を食べさせるようにしたところ、明らかに子ども達が落ち着きを取り戻したという実践があります(本で読んで知っているだけですが・・・)。

 

 では、朝食と情緒がどのように絡んでいるのかを次に説明します。

 

2 菓子パンが壊滅的に駄目な理由

 はじめにお断りしておきます。「菓子パン」だけが駄目なのではありません。他にもたくさん駄目なものがたくさんあるんですが、今回は「子どもの朝食によって、どうして情緒不安定な状態になるのか?」を説明するために「菓子パン」を例に使うということです。

 「菓子パン」を例にすると「菓子パン」業界から叱られそうですから、あくまで程度問題であるということもあらかじめお断りしておきます。人の身体は、ある程度までなら浄化作用が働いてくれるので、食べない方が良いのですが、食べても少しなら大丈夫です。・・・たぶん。

 

 「菓子パン」がどうして駄目なのか、そして、何故子ども達は情緒不安定になるのかについていくつかの視点から説明します。

 

①まずはパンそのものが駄目です。


 パン好きな人には極めて厳しい現実ですが、説明上、仕方ないのでお付き合いください。パンはね、原材料が小麦です。つまり、小麦が駄目なんです。

 小麦の中にあるグルテンって奴が人の身体に合わないのです。グルテンを分解して栄養にする酵素を人はもっていないため、小腸で炎症反応を引き起こします。具体的には小腸の壁に小さな穴を作ってしまい、そこからグルテンさんは全身に旅立ちます。

 すると、人の身体は危険を察知し、抗体を生み出してなんとか処理しようとします。ここまでで、相当なエネルギーを使うわけですが、この身体を守るはずの抗体による攻撃が更なる悲劇を生み出します。

 グルテンを構成している分子構造と、人の臓器の分子構造が似ているのです。特に小脳の分子構造はグルテンと共通する点が多く、抗体はグルテンに似ている本当は良い奴の小脳まで攻撃するのです。

 ここまでをまとめると、グルテンが炎症反応を引き起こす。それを退治するために抗体反応が起こる。その抗体反応が人間の臓器、特に小脳を攻撃する。結果、脳がダメージを受けて頭がぼ~っとしたり、集中力がなくなったりします。

 ついでに、パンは焼いて作られています。焼くことで老化物質AGEが形成され、それも良くありません。特に焦げているのが駄目です。

「そんなこと言っちゃったら、うどんもパスタも駄目なの?」と言われそうです(私も同じように考えたので)。その疑問は経験済みです。

 結論から言うと駄目です。駄目なんですが、パンほどではありません。パンは小麦の強力粉を使っており、うどんは中力粉です。グルテンの量が違います。結論は小麦そのものが駄目なんですが、うどんはまだ被害が少ないと覚えておきましょう。

 さらについでですが、その小麦がどこで作られたのかも重要です。菓子パンの小麦は、ほとんど外国産です。こだわりのパン屋さんなら国内産を使っているところもありますが、スーパーで売られている安い菓子パンの小麦は、100%外国産なので、今度は「遺伝子組み換え」や「化学肥料」「農薬」や「輸送にかかる保存剤」なども関係してきます。

 ですから、とりあえず朝食に菓子パンだけは・・・「やめて!」と言うことです。

 それでもどうしてもパンを!という場合は、個人的には好きになれませんが「米粉パン」ならまだ被害が少なそうです。

②次に砂糖が駄目です。

 菓子パンは甘いです。♪甘いは砂糖♪ ♪砂糖は白い♪ ♪白いは精製されたもの♪ みたいな連想ゲームをすれば分かりやすいでしょうか・・・。

 まあ、パンも白いし、白米もうどんも白いです。究極的には「白いものは駄目」なんですが、今回は「砂糖」だけを取り上げます。

 砂糖は身体に良くないということは、なんとなくは知っていると思います。私もかつては「なんとなくは知っていた」程度です。

 でも、具体的にどうして駄目なのかを理解すると、「かなり駄目だ!」ということが理解でき、自分の身体でも実践してみた結果、全く駄目だということを納得しました。

 砂糖が駄目な理由もいくつかありますが、その中でも「エネルギー源としての糖質」についてだけ説明します。

 以前の記事でも説明しましたが、人の身体は2つのエンジンを積んでいます。「糖質エンジン」と「脂質エンジン」です。有酸素運動を連続20分すると「糖質エンジン」の糖質が枯渇し「脂質エンジン」に切り替わります。つまり、ようやく脂肪を燃焼し始めるということ。つまり、有酸素運動は20分以上しなければやせないということにも繋がります。

 砂糖を食べると、砂糖は急速に血液に取り込まれます。つまり、血糖値の急上昇です。これをエネルギーとして活用するわけですから、まあ、良さそうなんですが良くありません。「糖質エンジン」に「緩やかに」取り込まれる糖質なら問題ないのですが、急激に取り込まれるところがやっかいなのです。

 人の身体は、急な血糖値上昇を危険と判断し、インスリンというものを大量に分泌し、血糖値を下げようとします。ところが、今度は下げすぎてしまいます。その結果、低血糖状態に陥ります。すると今度は身体が低血糖状態を危険と判断し、「甘いものが食べたいよー!」となるわけです。これを繰り返すことで血糖値の乱高下が頻繁に起こり、血管を傷つけ、長い年月をかけて糖尿病を生み出していくことになります。

 話が少し横にずれましたので戻します。

「血糖値の急上昇」からの「急下降」による「低血糖状態の発生」。これが「イライラ」や「落ち着きのなさ」を生み出しているのです。甘い物を食べると脳内から幸せホルモンが分泌され、ほんの一瞬だけ幸福感や安心感を得ることができるのですが、先ほども述べたように、血糖値システムが作動して、一瞬の幸せ感と引き替えに、長時間にわたる「イライラ感」を手に入れることができるのです。

 

③最後に食品添加物が大問題です。

「菓子パン」は、裏の成分表をチェックしてもらえればすぐに分かりますが、「食品添加物」の宝庫です。かなりの量の食品添加物を使っています。パンそのものにも使っていますし、パンの中に入っているジャムやらクリームやらにも大量に使っています。

「食品添加物」というのは、ごく簡単に言うなら「全く不自然だけど、味をちょこまかして「おいしー」とか「きれい!」とか「新鮮!」と思わせてくれる魔法の科学薬品」です。・・・簡単に説明できてませんね。

 とにかく身体の健康にとって害があるものと覚えておくといいでしょう。

 食品添加物がどのように害があるかについては、多すぎて説明しきれないのと、まだ分かっていないことも多いという理由から、今回は省略します。

 ただ、自然界には存在しないということで、不自然であり、不自然であるという理由から人の身体にとっては異物です。ですから、異物処理をしなければいけないという視点だけでも、朝から大量のエネルギーを消化作業に費やすというイメージは持てると思います。

 本来、子ども達は朝食でエネルギーを補充して、そのエネルギーを「学ぶ」ということに費やします(学ぶの中には遊ぶも入ります)。しかし、そのエネルギーが脆弱であるばかりか、消化の方が優先順位が高いので(生命存続のため)、莫大なエネルギーを朝から修復作業に使うというわけです。

 結果、「集中して勉強しよう!」ということは起こるはずはないのです。身体は修復作業に専念するために「眠気」を引き起こして、外側で起こるエネルギー放出を極力抑えようとするのです。ボーッとしちゃったり、ダラダラしちゃったり、きちんと座っていられなかったり、子どもなのに異常に疲れやすかったりなど、全ての現象を説明できます。

 

 まだまだ説明したいことはありますが、だいぶ長くなってきましたので、この辺で今回はまとめに入ります。

 

3 朝食に何を食べたら良いか。

 ここまで「とりあえず朝食に菓子パンだけはやめてほしい」ということを説明してきました。本当はまだ駄目なことはあるのですが、現状、最も駄目なのは「朝から菓子パン」と覚えておくと良いでしょう。絶望的な補足ですが「牛乳」も駄目です。ですから、朝から「菓子パン&牛乳」の夢のタッグは絶望的です(牛乳がなぜ駄目なのかは今回は省略します)。

 では、何を食べたら良いかについても簡単に説明して今回の記事は終わりにします。

 簡単に言うなら、昔から日本の文化として食べてきたものです。

 本で得た情報ですが、ある調査によれば、世界中で食事の研究をした結果、最も身体に良い食事は、日本の昔から伝わる食事であるという結果に至ったそうです。それで「和食ブーム」みたいなのが海外では起こっているわけですが、本場の日本では逆のことが起きているというのがおかしなところです。

(マクガバン・レポートというのが2回発表されますが、都合が悪すぎるのか、闇に葬られてしまいます・・・)

 学力状況調査というテストがありますが、秋田県が常に上位にいます。

 それで、日本全国の先生方が「どうして秋田県はすごいのかな?」と疑問に思って研究したんです。ところが、秋田県は「普通のことしかしてませんよ。」と言うわけです。「いやいや、特別な授業法があるんじゃないの?」と納得できないということで、秋田式ノートだとか、教え方の方法なんかをしつこく研究するわけです。または「秋田県は二世帯が多いから、そこかな?」みたいな結論を導き出したりもします。個人的には「なまはげさんのおかげかな?」と思ったこともありますが・・・。

 まあ、様々な要因が絡んで、秋田県の学力は高いのでしょうけれども、今回の記事である「朝食も大きく絡んでいるでしょうね。」と私は考えています。

 ご飯、味噌汁、何か一品が朝食に良いでしょう。

 もっと良くするなら・・・

 玄米、味噌汁、野菜が良いでしょう。

 さらに良くするなら・・・

 果物、玄米、味噌汁、小魚かな~。

 そして、何を食べるかも問題ですが、どう食べるかも問題です。

 朝食を楽しく食べる、感謝して食べる、みんなで食べるということが、かなり重要です。栄養素をどう取り込むのかということにも繋がりますが、心の安定にも大きく関わります。

 今回は「食事・朝食」という観点からの説明でしたが、「心」は常にどの分野であっても関わってきます。朝食の内容が良くて、食べる環境が良ければ完璧です。完璧は無理でも、とりあえず「菓子パンだけはやめて」という記事でした。

 

 随分長くなってしまいましたが、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。子ども達が今よりも健康的に元気になってくれたら嬉しいです。