Nayunayu先生 ~愛のある教室~

現場教師の24年間の実践理論

「うつ病」 ~第5回 薬では治らない~

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 精神科医へ受診すると、薬を処方されます。

 飲み続けると、2週間ほどでほんの少しだけ回復してきたような気になります。

 そして、しばらく休んでいる間に、自分の仕事とか環境を見直し、ストレスの少ない状態へ移行し、無事に社会復帰するというシナリオです。

 ここまで順調に進んだとして3ヶ月です。

 ところが、しばらくすると、ふたたび「うつ状態」が襲ってきます。

 その間も薬は飲み続けることになります。

 やがて、さらなる悪化が見られる場合は、処方される薬が増えていきます。

 もう、怖くて薬を手放すということは不可能になります。

 10年も20年も飲み続けることになってしまいます。

 だから、結局薬で治ってはいないのです。治ったような気にはなるのかもしれませんが、治っていません。蓋をしているだけなのです。

 

薬で回復するのは幻想である理由

 前までの記事で書きましたが、「うつ」は心の病です。

 心の問題を薬で回復させることなんて、もともとできないのです。

 次に書くことは、何かの本に書いてあった例え話の内容です。

 

 ある子どもが泣いてばかりいます。親が心配になって、病院につれていくと「泣き虫病」という診断を受け、泣かなくなる薬を処方されます。子どもは薬を飲んで泣かなくなったので、親は安心しました。というようなお話です。

 

 泣きたい理由は無視して、泣かなくなるように薬で強制することが、回復ではないことはすぐに理解できるでしょう。「うつ」に対して薬でなんとかというのは、これと同じ事をやっていることになります。子どもが「泣きたくなる理由」を理解してもらう必要があると同様に、「うつになった理由」も理解してもらう必要があるのです。

 

 さらに、薬には副作用があります。つい最近の朝日新聞の記事でも特集されていました。

 

「睡眠薬や抗不安薬は、中枢神経の興奮を抑えるなどの作用があり、眠気をもたらしたり、不安感を少なくしたりする。ただ、転倒や認知機能障害が起こりやすくなるという研究が数多くある。やめられなくなる依存も起こしやすく、死亡リスクが上がるという報告もある。」

 

 農薬だって、抗がん剤だって、ピンポイントで効果があるという薬はないのです。必ず周辺組織への影響もあり、副作用があり、すべて不自然なのです。

 薬だと言ってラムネを渡しても、同様の効果が見られたという報告もあり、プラセボ効果と言うそうです。つまり、心の問題に薬は効果はないということです。あったように見えても、強制的に感覚を麻痺させて、蓋を閉めているだけです。

 

 

薬を処方する理由

 では、薬では治らないのに、お医者さんはなぜ処方するのかという疑問が出てきます。お医者さんが悪意を持って効果のないことをするはずはないとか、効果があるから薬があるのだというご意見の方もいるでしょうから、そう信じたいのならそれでもかまいません。もしくは、それにすがるしかないのなら、仕方ないでしょう。また、緊急の場合(自殺の可能性が濃厚)などは、薬が必要なこともあります。

 

 私がたどり着いた薬を処方する理由の結論は「それしかできないから」です。

 精神科医に「うつ病」は治せません。これは事実です。

※もしかしたら、本当に研究をしている精神科医なら治せるかもしれませんが、ほとんどいないという意味です。また、本当に理解したら精神科医という職業が成り立たたないという事実も見えてしまいます。

 

 その証拠に、「うつ病」患者は増え続けています。もしも治すことができるのなら、ここまで増えるということもないでしょう。

 それで、治せないんですが、薬を処方するということはできます。

 そのようにマニュアル化されていますので、ほとんどの精神科医はそのように行動します。ある精神科医では、お医者さんが「うつ病」になって病院からいなくなったという話もあります。精神科医自身が「うつ病」になるのですから、治せないという証拠になります(病院では治せない理由は、もっと深いのですが、次回の記事にします)。

 

 さらに、製薬会社との関わりもあるでしょうね。

 世の中は経済活動と切り離せないシステムになっていますから。

 一度薬を処方されると、生涯飲み続けなくてはいけないのですから、お金になります。もう、どうしようもない理由で、信じたくはないでしょうが、世の中は善意だけで成り立っているわけではないと理解すると分かってきます。

 

 

まとめ

 泣いている子どもがいたら、「どうしたの?」と理由を聞き、「それは悲しかったね」と共感し「それでどうしたい?」と気持ちを聞き、本人が選ぶのを受容してあげます。すると、「泣いてもいいんだ」と子どもは理解し、愛を感じて前に進めます。

 これが自然な行動です。

 

「うつ病」もこれと同じことをやる必要があるのですが、ものすごーーく難解です。

 素人に手が出せる代物ではありません。

 出したら火傷します。

 ですから、前から同じ事を言っていますが、カウンセラーに頼ってください。

 

 何事も同じなんですが、治療よりも予防の方が簡単です。

 ですから、素人ががんばれるところは予防であって、治療が必要になったら、専門家にお任せしましょう。精神科医ではなくて、カウンセラーです。長い長い物語を聞き続けなくては、自分自身への気づきが生まれませんから、精神科医では運営が成り立たなくなります(医療システムがそうなっているので仕方ないのです)。

 

 「うつ病」の記事では何度も同じ事を書いていますが、もう一度強調しておきます。

 

 回復は可能ですが、簡単ではありません。とてつもなく難しい分野だということを理解して、決してあきらめないでください。そして、治そうとしないで、受け止めてください。話をしようとするのではなく聴いてください。~すべきとか ~であるべき という考えを捨ててください。一喜一憂も禁止です。すべてプレッシャーとなります。

 

 そういうややこしい物語なんです。