Nayunayu先生 ~愛のある教室~

現場教師の24年間の実践理論

自殺を止める唯一の方法

 少し重いテーマですが、ニュースで今年の小中高生の自殺者が500人を越えて深刻だという内容を見ましたので、書くことにしました。身近に自殺した人がいる場合、「止めることができなかった・・・。」と自分を責めているかもしれませんので、少しでも救いになれば・・・と。そして、今後の自殺を止められる唯一の方法を知ることで、回避することができるかもしれませんから。

 今回の記事の内容は以下の3つです。

1 なぜ自殺に至るのか。その理由について。

2 自殺を止めるための唯一の方法について。

3 最大の予防策について。

 

1 なぜ自殺に至るのか。その理由について。

 自殺に至る理由は、人それぞれです。何が原因かは様々です。

 ですから原因を追及しても解決しません。例えば会社が倒産したときに、自殺する社長もいれば、そこから這い上がる社長もいるでしょう。例えば人間関係で悩んだ末に自殺する人もいれば、そこから新しい人間関係を構築する人もいるでしょう。

 つまり、外側に現れている原因らしきものは、本当の原因ではありません。

 人生に絶望した結果・・・と言いたいところですが、それも違います。

 絶望したのなら自殺はしません。

 上の写真を見てください。絶望していますね。

 ・・・実は、この状態はダイジョウブです。危険なのは下の写真です。

 この中から自殺者は出てもおかしくありません。

「昨日までは、あんなに元気だったのに・・・。」という状態です。

 この写真を見て、自殺者がでるなんて、誰も予想できません。

 予想できないので、止めることはできないのです。

「死にたい」「自殺したい」と公言する人は、実は大丈夫です。苦しいかもしれませんが、自殺はしません。自殺する人は誰にも言いませんし、ある日突然に行動します。

 ですから、止められなかったことを悔やんでもしかたありません。気づく事は不可能ですから、無理なんです。

 では、昨日まで元気だった人が、どうして自殺を選択するのかということを説明します。なるべく分かりやすく説明しますが、説明不足になるところもあるかもしれません。本当に詳しく説明するのなら、途方もない文量になってしまいますので・・・。

 

 まず、最初に理解していただきたいのは、自殺というのは人特有の行動だということです。自殺する動物はいません(たぶん)。そして人以外の動物は「死」という、そのものを考えていません(たぶん)。

「もうすぐ死ぬかもしれないな~」と考えている犬や猫はいないはずです。ただ感じることはできるので、猫なんかは死ぬ前にすっといなくなります。ハムスターは餌を食べなくなります。

 では、人にあって他の動物にないものは・・・と言いますと、ずばり「思考力」です。この「思考力」は「心」と同じ意味だと思ってください。

 誰でもこんな経験があると思います。

 めちゃめちゃがんばって、ある日突然、どうでもよくなるような経験。

 勉強を頑張っていたんだけど、ある日突然、勉強を一切やめる。

 ダイエット続けてたけど、その反動で、ある日突然、暴飲暴食する。

 節約してるけど、ついつい浪費してしまう。

 これは何を示しているのかと言いますと、「思考」というのは「振り子」だということなんです。ある臨界点に達すると、一気に逆に振れる。振れるというのはまだぬるい。一気にジャンプするという表現の方が正確です。

 つまり、生きることに頑張りすぎた人が、臨界点に達することで一気に逆に触れるのです。頑張っていない人は自殺しません。のんきに暮らしている人もしません。頑張りすぎた人だけが自殺します。

 しかも、瞬間的です。一気にジャンプした瞬間に自殺します。

 その瞬間がすぎれば、再び振り子は動き始めますので、自殺の危険性は一気に下がります。ただし、同じような思考で生活しているのなら、何度でも危険が訪れます。要は程度とタイミングの問題になります。悲しいけど、それが現実です。

 

2 自殺を止める唯一の方法について

 究極的にはひとつしかありません。唯一の方法です。

 しかし、対処療法としてはいくつかありますので、先にそちらを説明します。

 まず1つ目は、先に述べたように、ジャンプした瞬間に自殺します。ですから、その瞬間が過ぎるまで一緒にいることです。思考力は意識と繋がっていますが、意識というのは行動の力をそれほどもっていません。無意識の方が行動の力をもっています。

 以前にそのような内容の記事を書きましたので、添付しておきます。

www.nayunayu.com

 しかし、この場合、ジャンプしそうな瞬間を見逃さないということが大切ですから、やっぱり難しい。

 そこで2つ目の対処療法。

 思考が「生きる」ことに、「がんばる」ことに、「なんとか打開しようしている」ことに一生懸命になりすぎていますので、別の物に向けることが有効になります。

 それが「依存」です。依存は役に立つのです。依存そのものにも問題はありますが、一時避難としては役に立ちます。何に依存するのかということさえ間違えなければ、被害はとても少なくなります。

 まず、依存してはいけないものから。

 これと

 これ。

 リストカットとかも危険ですが、ドラッグほどではないでしょう。

 次に、これは依存先として安全なもの。

 これとか

 これとか

 こんなの。

 趣味や運動、食事などは安全です。多少、拒食症や過食症なんかも、自殺に比べれば軽傷です。何かに依存しているとき、思考は、それに依存しているという単純な理由で、支えになっているのです。ごちゃごちゃ考えることを阻止してくれているありがたい防衛反応です。

 そして、できれば他者とのコミュニケーションがとれるものが良いでしょう。

 依存に関して言えば、多くの人が依存は駄目だと思っているようですが、私の至った結論では、依存することでなんとか保っているのです。だから、何かに依存している時、簡単にそれをなくそうとしてはいけません。それがなくなったら、別の依存先を見つけるだけです。それもなくなったら、本当の自分の問題に向き合うしかなく、自殺ということも起こり得ます。何かに依存している間も、自殺という観点から言えば、まだ大丈夫なのです。依存もなくなった時が危険なのです。

 

 では、唯一の本当に自殺を止める方法について説明します。

 先に述べたように、自殺を一時的に回避するための方法はいくつかあります。しかし、自殺するかもしれないのは、その人が頑張りすぎているからです。その状態をそのままにしているのなら、一時回避できたとしても、また別の機会に自殺の可能性が出てきます。

 ですから、唯一の方法というのは、根本的な解決策ということになります。

 それは、がんばり過ぎている人に「がんばっているね。」と認めること。そして、どれだけ辛いのかを聴くこと。聴くだけでも効果ありますが、さらに「がんばっている君が頑張らなくても、君の価値は何も変わらない。」と伝える事です。あるいは「君がどのような状態であっても、自分は友である。」と伝える事です。

 だれか一人でも、本当の理解者がいれば、人は何度でも立ち直れます。

「そんなにがんばらなくていいんだよ。」と伝えてはいけません。自分ががんばっていることの意味がなくなってしまいますから。

 傾聴の基本ですが、ただただ共感することです。共感した後なら、ある程度、心の辛さが放出された後なら、理解者の声は届きます。順番にも気をつけてください。まず聴くことです。聴く前にいくら正論をいったとしても、いくら情に訴えたとしても声は届かないと肝に銘じておきましょう。コップの水があふれ出しているのに、水は入らないのです。まずは抜くことです。

 

3 最大の予防策について

 なぜ頑張りすぎるのか。頑張りすぎなければ自殺は起きません。

 自殺は先進国特有の現象ですが、発展途上国でも別の理由で起こります。

 先進国においては、頑張りすぎるで起こりやすく、途上国では貧困などの原因もからみます。また、文化的なことや紛争、宗教的なことも絡んできます。ですから、すべての自殺を同じ原理で説明はできませんが、今は日本のことを言っているので、先進国ならではの特徴の説明になります。

 先進国特有の原因はペルソナです。仮面をつけて生きているからです。

 本当の自分に蓋をして、自分の感情を殺し、それが習慣化することで、自分が蓋をしていることも分からない。ペルソナをつけている自分を本当の自分だと思ってしまうのです。常に他者の目を気にします。他者の評価におびえ、自分は駄目だと思ってしまう。でも思いたくないから、頑張りすぎてしまう。ごくごく簡単に言うと、そんな図式です。

 自分に自信がないからがんばりすぎる。

 ならば、自分に自信があれば、がんばるけど「過ぎない」のです。

 自分自身への圧倒的な信頼感がありますから、どんな辛い状況にあっても「自分なら大丈夫。」とか「これは自分が悪いということではない。」とか「ここから何かを学べってことかな。」とか「そもそもたいした問題じゃない。」とか思えるのです。

 それが自己肯定感です。

 自己肯定感がしっかりと育っていれば、かなり大きな壁や荒波でも乗り越えます。それだけのエネルギーを備えているので当然です。

 ですから、自己肯定感を育てることが、最大の予防策になります。

 では、自己肯定感はどのように育むのかということになりますが、それはかなりの説明が必要なので、また別の機会にしようと思います。ただ、これまでも自己肯定感の大切さについてはいくつか記事を書いてきましたので、関係ありそうなのを添付しておきます。

 

www.nayunayu.com

 

www.nayunayu.com

 

www.nayunayu.com

 

www.nayunayu.com

 

www.nayunayu.com

 

www.nayunayu.com

 気になる記事があったら立ち寄ってみてください。

 

 今回は小中高生の自殺者についてのニュースがきっかけですが、大人の自殺者はもっともっと多いです。ですから、本当はそのこともニュースにする必要があると思うのですが、なかなか取り上げられていませんね。

 2022年度の日本の自殺者は21,584人だそうです。

 高齢者の自殺は病気とかも絡んでくるので、今回の記事ではカバーしきれないところもありますが、少なくとも「頑張りすぎている」状態を見つけたら、危険だと察知するきっかけにはなれるかなと思います。